いま、想いを伝えずに
久しぶりに、「感動!」な瞬間に立ち会えて、嬉しかった。
中学校の先輩(と、言っても20年も先輩)が主催する「クリエーターズワーフ」という、
「ものづくり」に関わる人の交流会・勉強会がある。
先日、講師(?)として、映画について、教育について、地域について、あれこれお話させて頂いた。
(内容はすっ飛ばして…)
ほろほろ酔いで、暖簾をおした、三軒目。
席に座るやいなや、業界紙のお仕事をされていたTさん。話しかけてきた。
「くりりんと、ちゃんと、話してなかったから」
「色々と感動したから、今、それを伝えたかった」
会の最中、一番難しい顔で腕を組んでいたTさん。
Tさんは、わざわざ自分の想いの、ありのままを、伝えにきてくれた。
「今しかないんだ。今、伝えなきゃいけないと、感じたんだ」と、ウイスキーを呷りながら。
文章にすると、とてつもなく単純なエピソードだけど、僕は心底、Tさんの本気な表情に、胸が打たれた。
池袋の安呑屋で、ひさしぶりに美味しいお酒が飲めた。
「表現するとは、今をつかむこと」。誰かが言っていた。
Tさんに深く深く、感謝。
先日妻に、「あなたにとって、プロとは何か?」と聞かれた。
僕は、「愛だ」と、恥ずかしげもなく、答えた。
だけど、あらためて、思う。
「(自分にとって)プロとは、今をつかむ、今を生きる」。1000%。愛をもって。
(2009.11.15 栗山宗大)